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蜷川幸雄シアター「ヴェニスの商人」のerikaのレビュー・感想・評価

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‪内容を全く知らないまま、観に行った。今のこの時代では、いろいろ物議を醸しそうですが、それはそれ、これはこれ、と区別したくなってしまうほど、素晴らしい舞台でした。倫也さんのポーシャの愛らしさとお茶目な感じがもうどうにも言い表せないくらい可愛くて可愛くて胸がキュンキュンした。もう、あの人は罪です。だって倫也さん男なんです。なんであんなに女の人より女になってるの?引き寄せられるところとか、ふらふらしちゃうところとか、心臓縮まった。かと思えばあの男らしさ、、ぐいぐい引き込まれてもう出られなくなるんじゃないかとそわそわしちゃいました。でも多分、一番この舞台で光っていたのは猿之助さんです。もう、最初猿之助さんって分からなくて、だんだんわかってきた時の不思議な恐怖心。ずっとずっと猿之助さんが出てくると恐怖心しか抱けなくて、困ってしまいました。あの目力、あの迫力。もしも、生であの目に見つめられてしまったら金縛りにあったみたいに絶対動けなくなってしまう。歌舞伎という世界で鍛え上げられたんだろうなあと、実感。歌舞伎も観てみたくなりました。この舞台、こんなわたしのちっぽけな脳みそでは思考が追いつかないほど、素敵な素敵な舞台で。生で観られなかったこと、これから観られることはないこと、悔やまれます。舞台というドラマとも映画とも違う、一瞬一瞬の生の演技にスクリーンを通してですが、心揺さぶられた。
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