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身体を売ったらサヨウナラのemilyのレビュー・感想・評価

身体を売ったらサヨウナラ(2017年製作の映画)
2.7
 有名大学から東大大学院修士課程、某経済新聞社の記者リョウコ。彼女には大学時代にAV出演した過去があった。昼間は充実した日々を送りながら、心のよりどころを求め、ホスト遊びをしたり、さわやかな恋を求めバンドマンと恋に落ちたりする。寂しさを埋める日々、ただ幸せを願うだけなのに・・

 AV女優や監督などのインタビューを交えながらドキュメンタリータッチに描かれている。今を進めながら、過去の時間軸を交差させ、切り貼りするように、良い意味で粗い映像の数々が29歳のリョウコの語りにより綴られていく。

 女が生きていくため。過去は栄光になるのか、それとも汚点になるのか。AV出演は確実に形として残っていく。自分にとっては良い思い出であれど、それに苦しまされる人は一番大切なそばにいる人なのかもしれない。体を切り売りして生きる・・気軽に始めた事であれ、誰かを、そうして何かを傷つけた代償は必ず何かの形で自分にもしくは大事な人に降りかかってくる。誰にでもある心の隙間、それを埋める形は人それぞれである。ただその代償は楽しんだ分、苦しめた分大きいということを常に頭に入れておかなければいかない。

 誰しもが孤独で、誰しもが寂しく幸せになりたいと願っている。転がっている幸せにすがったところでそれは絶対に手に入らない。求めれば求めるほど遠ざかっていくこと、探せば探すほど混乱しか生まない事。生活を変えるのは難しいが、自分が変わる事でしか先は開かれないのだ。同じところで同じことの繰り返し、何歳になっても同じ場所に立ち止まっている。それは自分自身の胸に痛く跳ね返ってくる・・
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