SEIJISAN

すもものSEIJISANのレビュー・感想・評価

すもも(2016年製作の映画)
3.0
自主制作映画っぽい雰囲気が漂っていて、派手さは無くて地味な作品だけど、見入ってしまいました。大砲隊を率いていた優秀な侍だった主人公。暴発事故の為、片手、片足に障害を抱え、顔には大火傷の痕を残す。そこへ追いうちをかける様に、恋仲だった女性との離縁、仕事を追われ、友人も去るなど残ったのは命だけで他は全て失ってしまう。そこへ持ちかけられたのは「寺子屋の先生」の仕事。共に寺子屋をきりもりする女性と対立しながらも徐々に気持ちが近寄っていく。村民からは「農民が勉強して何になるのか?それよりも一日を生き延びる事で精一杯なんだ」と詰め寄られる。様々な苦難の末に寺子屋がうまく回り始めた頃に「大砲暴発事故の件は別人のミスだった」事がわかり、幕府へ再び主人公を呼び戻す事を決めるが...。モノクロで進む作品がカラーに戻った時の不思議な感覚。寂しさと爽やかさが同居する不思議な感覚。誰もが「一生懸命に生きている」。どんな逆境に置かれても腐らず「一生懸命に生きている」。それがとても尊い事だと気づかされる。思わぬ良作に驚きました。
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