chiyo

母のchiyoのレビュー・感想・評価

(1929年製作の映画)
3.5
2021/5/23
コタニマリさんの語りとレコード演奏付き。元々は約100分の映画で、現存する62分の編集版を鑑賞。本来は島田嘉七演じる父の姿も描かれていたけれど、編集版では彼のシーンはカットされ、タイトルに冠した“母”に重きが置かれた作り。物語は、銀行家の妻として裕福に暮らしていた母親が、夫の死後に二人の子どもと共に社会に放り出される、というもの。が、住み込みの女中奉公先で不当な扱いを受けたり、再婚目的の山路に付け入られたりはするものの、夫の親友・木下や浜子の協力でそこまでの辛酸は嘗めずに済む。そして、長男は勤勉で妹思い、妹も優しく兄思いで、多少の貧しさはあっても真っ当に成長している。何よりも、当時5歳の高峰秀子演じる妹が本当に可愛く、磨っていた墨を顔につけた姿がお気に入り。また、浜子演じる八雲恵美子が自立した女性を好演している。
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