都部

the place namedの都部のレビュー・感想・評価

the place named(2012年製作の映画)
3.0
ワイルダーの戯曲『わが町』を土台に、片田舎で生活を送る女教師と戯曲の稽古に励む劇団員達の群像劇を描く現代文学的な映画。

生者と死者が台詞で交わるという構図は難解でこそあるが、好きな質感で空間の切り取り方には目を見張るものがあった。監督が意図するところの自然体をショットとして捉えているのに、現実離れした印象なのが面白いですね。とはいえ稽古場の一連のシーンは浮ついてるような感じがするし、自然体で撮ることとストーリーとして撮ることは果たして合致していたかと言われると自分はやや首をかしげざるを得ない。ただ赤色のライトが夜を裂いていくシークエンスの画としての決まりと言ったらなくて、物語のみならず撮影自体が自分の目にしたことのなかった価値観で構築されていた部分にそれなりの関心を覚える。
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