ちろる

ザ・スター はじめてのクリスマスのちろるのレビュー・感想・評価

3.8
かの有名なクリスマスの起源、聖書で描かれる処女マリアへの大天使ガブリエルの受胎告知からイエス・キリストの誕生の聖夜まで・・・
幼稚園からずっとカトリック系だったので毎年、毎年クリスマスに舞台で演じさせられ、暗記するほど絵本を読まされて、かなり知ってるつもりの物語だけど、、
ただ、このアニメーションは新しい!
マリアとヨセフの物語と見せかけて、語り部はロバのボー。
視点もボーからの視点から描かれているため、聖書のお話でも説教臭さは全くない。
家は無宗教ですが、物心つくかつかないか頃から『マリア様が絶対』みたいによく分からないまま教えられ、手を合わせる事を余儀なくされてきた私としては、聖母マリアってもう神様みたいなくらい遠く、尊い存在だったけど、このアニメーションで描かれるマリアはとても人間味あふれていて、優しいだけでなく元気で明るく普通の女性。
ヨセフに至っては・・・まぁマリアを想う気持ちは誰にも負けない優しさはあるものの、少々おとぼけ、なんならちょい頼りない感じが、この作品においてはとても効果を発揮してた。
解釈が異なるため諸説あるけど、ラファエロもロッホナーもダヴィンチもどの絵画も真っ白い肌で描かれることの多い聖母マリアですが、この作品では少し褐色気味のイスラエル人として描かれており、そんな点も私の子供の頃だったらなかった表現。良かったです。
何よりボーをはじめに、鳩やら、羊や馬など愉快な動物たちをメインにすることで非常にエンタメ性高くなってるのが良いところ。
宗教色あまり出してないので、クリスマスの起源を全く知らない日本の子供たちには結構向いてる作品ではないかなと思いました。
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