ケンタロー

米軍が最も恐れた男 その名は、カメジローのケンタローのレビュー・感想・評価

4.0
2019年10月31日夜、沖縄かつての琉球王国の象徴であった首里城が大規模な火災により全焼してしまった。残念でならない…。

以前、旅行で訪れた首里城は荘厳であった。琉球文化は目新しく好奇心を駆り立てられ、何より観光地としての沖縄は美しい海と自然、多様な見どころ、そして、珍しく美味しい食文化など楽しい思い出の地だ。

もちろん、痛ましい戦争の歴史も知っているし、戦後のアメリカ統治や今も続く米軍基地問題も報道では目にしている。

だが、このドキュメンタリー映画には自分の知らない沖縄の姿があった。その沖縄の中心には、瀬長亀次郎という信念を貫き続けた不屈の人物と、彼と共にやはり不屈の精神でもって闘い続けている沖縄県民の姿があった。

語り続けられる映画の107分は凝縮された時間ではある。だがしかし、これで理解をしたとか、知った気になどなれないであろう現在まで実際に沖縄で流れている時間と月日の長さ…。

この作品を観て感情的になることも、必要以上に感傷的になることも無い。それは当事者である沖縄県民でなければ、やはり、わからないことだと思う。

ただ、日本国民が知らなければならない歴史であり、知っておくべき人物が瀬長亀次郎であると思う。