『Le voyage de Fanny』
D'après une histoire vraie…
戦争や災害ものの実話に基づく物語ってもっと手に汗握るような緊迫感があるんだけど、この作品はなぜか映画、つまり“フィクション”を観ている感覚が拭えなかった。
ユダヤ人のファニー13歳。第二次世界大戦中フランスではユダヤ人の子供たちが支援組織に託されていた。保護者/引率者を失い、他の子供たちを率いてスイス国境までの旅。ひとり責任を負うファニーとは対照的にどんなときでも無邪気な幼い子供たち。過酷な状況下でも楽しむことを忘れない子供たちの存在ってやっぱり貴重。喋っているフランス語もとてもかわいらしかった。金網を抜けて走るところ。銃声。人種に関わらず子供たちに罪はないのに。
私がはじめて一人で飛行機に乗ったのは9歳で、翌年からは毎年弟を連れて2人で飛行機に乗っていたのだけど、たった3時間だけでも緊張したし何かあったらと責任感に押し潰されそうでとても重荷だった。なんでこんな役目…とうんざりしたし、無事に目的地に着いたときには毎回ほっとした。そういえば私は子供の頃からいつもそんな役回りで無邪気さとは無縁だったなってふと思った。
