Melko

ローラーボールのMelkoのレビュー・感想・評価

ローラーボール(1975年製作の映画)
2.8
「もし俺が引退を承知したら、君は何を貰える?」

インパクトのあるジャケに惹かれて見たものの。
あんまり面白くなかった…というか、長かった。このテンポで120分はキツい…

実況の喋り方が独特なせいで、聞いてもイマイチよくわからないルールのローラーボール
ゴールが一つで、バイクもいる、暴力ありのローラーゲームといったところか。

すごいシリアスに描こうとしてるからか、ローラーボール自体の迫力がそこまで伝わってこないのが切ない。結構な事故起きてるし、生傷必須の戦いしてるのに、走りにカメラが追いつかないのと、BGMが無いせいで試合の場面が全く盛り上がらない。
選手達がただただ疲れる動きをしてグルグル回ってるだけに見える。

致命的なのはドラマパートの長さと中身のなさ。
試合以外では、上からの圧力により、主人公が徐々にプライベートでも試合で追い込まれていく様子が描かれるのだが、同じやり取りを何度も繰り返してるのに主人公がボーッとしてるせいで全く進展しないのと、上層部が核心に触れない思わせぶりなことしか言わないから、このパートが超間延びして見えるし、段々イライラしてきてしまった。。
明言はされないが、要は
「ローラーゲームでは選手は平等、誰か1人が花形として目立つことはあってはならない」
ということで、抜きん出て有名かつ人気のあるジョナサンが抹消対象になったのか。

んー、理由をしっかり提示されない中のクビ宣告とはいえ、ルール無用の過酷な試合で仲間が植物人間になってるのに、それでも主人公が圧力に屈せず引き下がらず戦い続ける理由が、私にはよく分からなかった。
決勝戦の無茶苦茶な内容は事前に知ってるのだから、どう考えてもこれ以上犠牲を増やさないために引き下がった方が賢明だったのに…
あとどう見てもジョナサンは歳いってるように見えるし、チームの平均年齢上げてる気がするから、クビも理不尽でない気が。。
ただ単に心配して助言してくれる元カノのことすら信じられなくなる状況も、今ひとつ伝わらず。

序盤で流れていた、見てるこちらを思い切り不安にさせる「トッカータとフーガ(鼻から牛乳〜)」が、ラストでも使われてたのは印象的だった。

準決勝の対戦相手である日本をまさにイエローモンキー的に な衣装でヘンテコに登場させたのは、なんかもう一周回って何とも思わなかった。もはやどう見ても完全に日本人じゃないアジア系が選手に混じってるし、お辞儀も相手の目見てるから日本式では無いし。
正拳突きしながらの応援は疲れそうだし、「ケッパールェー!トキオー!」ってずっと言ってたけど、なんなん?と思ったら、「けっぱれ」って、東北の方言なのね。東京チームの応援でそんな掛け声なかろう!!おい!出元はどこだ!

唯一良かったのは、タイトルや数字のフォント。SCORPIONSのやつだー!とちょっと興奮したレトロフォント。
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