ニジム

リンキング・ラブのニジムのレビュー・感想・評価

リンキング・ラブ(2017年製作の映画)
2.3
現代の女子大学生がタイムスリップしてしまう話。もとの時間に戻ろうとするのと、過去を変えずにどうにか自分が存在する未来を維持しようと頑張る主人公。飛んだ時代は自分の父母が自分と同じ大学生だった。そして、あっさり自分の創造主と出会い、交流する。この辺はまんま「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ですよね……。

主人公のラップが酷すぎてお経のほうがよほどラップだと感じた次第。あれはどうにかならなかったのか。冒頭のラップバトルであからさまに態度でタジタジになってるのもとても稚拙な演出に思えた。

主人公がなりたかったAKB48の楽曲を1991年に持ってきてそれを披露してしまう。これって、秋元康の今の成功は消えるってことで、さらに言えばその間発明・発見された音楽やダンスのテクニックや技があってそれらは取り入れられているのだろうから、そういう人たちが認められるチャンスもなくなったり、すごく時期が遅れたりするのではないかと心配になった。自分が消えちゃうよりも随分乱暴な歴史改変やってるんじゃないだろうか。歌詞も、あの時代には無い言葉や表現がたくさんあるので、あのまま受け入れられるわけはない。グループメンバーたちも、普通の、自分たちと同じ女子学生が次から次へと楽曲やダンスを創意工夫なくコピーさせることに誰も疑問を抱かなかったのだろうか。

ストーリーよりそんな物語に隠れている様々なことが気になって、あまり共感するところも無かったな。主人公に心が動きかけていた若き日の父親の心がどうやって若き日の母親の方に戻ったのかも謎だし。あれだと未来に戻ったらまたバッドエンドになってる気がするよ。

まあこれは、AKBや秋元康全面協力のもとに作られたものなんですかね。

主人公が二階堂ふみに見えることが度々あって、でもこの演技は……と思っていたら、AKBのメンバーだった。やたら背が小さいので周囲とのバランスが取れてなくて、時々遠近おかしくなったかと焦った。最後のデモゲリラライブはちょっとかっこよかったけど。

亡くなった渡辺徹が父親役だったな。最近にしてはちょっと太り過ぎて冴えないほうのイメージで。

しかし、あんなジュリアナに踊りに行くまんまのファッションで大学来てる人はあまりいなかったんじゃないかな。カリカチュアとしてもやり過ぎだった。
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