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リンキング・ラブのナノのレビュー・感想・評価

リンキング・ラブ(2017年製作の映画)
3.8
AKBの試験に落ちたのち、ラップでの罵り合い(ラップバトル)に明け暮れていた女子大生、真塩美唯。父親が二次元(アニメ、漫画)にのめり込んでいる。そんなある日、母親が二次元オタクである父親に愛想をつかして家を出る。母親と父親に仲直りをしてもらいたいと思っていた美唯は、自分の部屋で今の心情をラップで吐き散らしていた。すると、部屋にあった年代物のランプから煙が出始め、中からランプの精(おっさん)が出てくる。すると「願いを3つまで叶えてやろう」と言う。しかし、願いを言う前に深層心理での願いが叶い始め、美唯はタイムスリップで父親と母親の青春時代、バブル期の日本へと飛ばされる。そこでは、美唯と同じ大学に通っていた父と母がそれぞれの青春を送っていた。なんと、その時代では、母親の方が父親にゾッコンで、なんとか振り向かせようと必死になっていた。その時代の父親は、今(太ったオタク)とは全く違うシュッとした美青年であった。しかし、女性アイドル研究会に所属していて、こっそりとアニメや漫画にも興味を持っていた(うる星やつらのラムちゃんなど)。その傾向のせいで将来父が、生身の人間ではなく、アニメなど二次元に没頭し、母本人を見なくなってしまったのだと悟った美唯。父親を振り向かせようと、学園祭にラムちゃんのコスプレで出ようとしていた母を制止して、生身の人間を見てもらい、アイドル研究会に所属する父を振り向かせようと、学園内でアイドルグループASG16(ASGは青山青陵学院という大学名の略)を結成し、学園祭で披露しようとするのだが…。

これは現代日本のバックトゥザ・フューチャーだ!将来別れる父と母をなんとか繫ぎ止めるため、なにかと奔走する美唯。父が美唯が気になりだすあたり、かなりBTF的。そして、本編中に披露されるAKBの楽曲、ダンスはどれも効果的で、劇中の父と母の恋愛を盛り上げるのに一役買っていた。

全体的にかなり明るいムードで、コメディ調なのだが、父と母の恋愛面に関してはかなり真剣に描いていたので、そこにはグッときた。以上
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