のんchan

L.A.コールドケースののんchanのレビュー・感想・評価

L.A.コールドケース(2018年製作の映画)
4.0
ジョニー・デップが実話の社会派ドラマを魂の熱演で魅せています。
この後の『MINAMATA』の演技も最高でしたが、こちらは未解決事件を追い続けるロス市警の元刑事役で、地味ながら正義を追い求める真のヒーロー像に成り切って奮闘しているクライムサスペンス。
共演はジャーナリスト役でフォレスト・ウィテカー。

1990年代後半に起きた、アメリカの2大ラッパーである2パックとノトーリアス・B.I.G.の殺害事件を描いたベストセラー・ノンフィクション『LAbyrinth』の映画化。


東西海岸で人気を二分していたカリスマスターの死はファンはもちろん市民をいや世界を驚かせた。
当時、それぞれが所属していたレコード会社は半グレの巨大組織で、潤沢な資金で警察官の買収を行なっていた。警官たちは黒人差別が罷り通る街で正義を行使する意欲が薄くなり、事件捜査の協力も立身出世のための行動になっているのが事実だった。

2つの事件を担当していたロス市警の刑事ラッセル・プールは真摯に事件を追う内に停職処分となり、満期年金まであと2週間を前にして退職し妻子から見捨てられてしまう。その後18年経っても執念で事件を追い続けていた。
そこへ独自に事件を追うジャーナリストのジャクソンがプールを取材に訪れる。2人は協力して複雑に絡む事件の真相に迫っていく...


登場人物が多く若干ごちゃごちゃするが、不器用ながら正義漢で溢れた男プールを毅然としたふるまいで演じたデップは申し分ない。
また、枯れた孤独な雰囲気を出してこちらも真実を追求する姿が印象に残るウィテカーと良い塩梅のバディ感が出ていました。

ロス市警の疑惑、アフリカ系アメリカ黒人の殺人事件は50%以上が未解決事件という真実がヤバいです。

驚きの事実がもう一つ。
ノトーリアス・B.I.G.の実母バレッタ・ウォレスさんが本人役で出演していたこと。
女優さながらの演技というか、本心で穏やかに優しく語るその姿が一番心に迫ってきたかも知れない。
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