イチロヲ

痴漢通勤バスのイチロヲのレビュー・感想・評価

痴漢通勤バス(1985年製作の映画)
4.0
経営困難に陥っているバス会社が、女性乗務員の性的サービスを開始するのだが、奇しくも三億円事件の犯人が乗車したことにより、事態が急転してしまう。現金の隠し場所を巡る犯罪コメディを描いている、日活ロマンポルノ。獅子プロダクション製作。

主人公(滝川真子)と犯人の息子(中根徹)がコンビを組み、元警察官(螢雪次朗)の追撃を掻い潜っていく。女性乗務員とエロいことができる「おさわりバス」がエロ要素として登場するが、物語の根幹部分とは無関係。

滝田監督と固い友情で結ばれている名脇役・螢雪次朗の怪気炎と、中国から派遣されてきた乗務員(星野マリ)のキャラ設定が面白い。後者の中国人キャラが、単なるおちゃらけではなく、シナリオ上の重要人物になっているところも素晴らしい。

演出に能う限りの努力が注ぎ込まれており、本物の列車内での痴漢シーンと、一般公道を使用した「バス対バイク」のチェイスが印象に残る。そして、雑踏でのゲリラ撮影では、ブレブレの望遠カメラに一喜一憂することができる。
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