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となりの怪物くんのmのレビュー・感想・評価

となりの怪物くん(2018年製作の映画)
4.6
「響 HIBIKI」の月川翔監督作品。
冒頭すぐの高校編開始ド頭の特大インパクトなアクション・ショットで度肝を抜かれた。
キラキラ映画を適当に作るやつの事はナメていいが、キラキラ映画を真剣に作るやつの事はナメちゃいけない。月川組は信頼できる。

先述のアクション・ショットもそうだし、浜辺美波が初めて自分の名前を菅田将暉に教える瞬間に真正面からのクローズアップの切り返しにしたり、と所々で映画としての演出をしっかりしようとしているのが見えて良い。カメラワーク・カット割も良かった。

流石に実写でやるには無理があるんじゃない?なハル君のキャラも非現実的なワイヤーワーク等の意図的なマンガ演出による普通と違うリアリティラインの設定と菅田将暉の実力で成立させる。

ヒロインの秘めたパワフルさが物語を駆動させていく。それ故に同じようにパワフルさを秘めた土屋太鳳が適役だった。

池田エライザ・山田裕貴・浜辺美波という強力な若手俳優陣を揃えた脇役達は各々のエピソードが尺の都合でそこまで描かれず勿体ないしそれがこの映画の弱い部分でもあるが、それでも各々の俳優達の実力で少ない尺の中で各々の個性や感情を滲ませる。
でも浜辺美波はやっぱり勿体ない。池田エライザのキャラクターもとても興味深かったが、土屋・池田間の友情の始まりの部分の描写があともうひと押しあれば良かったのに。

あんなに可愛い池田エライザに告白されても大人のもこみちはよろめきもせず毅然と大人の対応をする事が良かった(「PとJK」、あなたに対して言っていますよ)



主役2人の身長差を活かした演出を所々でしているのも好感度高い。
月川監督はやっぱり『映画』を作ろうとしているなと思う。
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