けーはち

ブラッド・ワークのけーはちのレビュー・感想・評価

ブラッド・ワーク(2002年製作の映画)
3.4
心臓移植を受けた元FBIプロファイラーがその心臓を提供したドナーを脳死状態にした犯人を追う。「羊たちの沈黙」あたりからのサイコスリラーの流行で「プロファイラー」とか一応言ってみたに違いない(案外ミーハー……もとい柔軟なイーストウッド!)が、主人公は犯人の心理を分析するよりはデッケェ銃を引っ提げて怪しい奴にぶつかって足で稼ぐゴリゴリ肉体派の捜査官である。70年代近辺までのFBIエージェントに人気のあったS&W M27をステンレス鋼にして装填数を8発にしたPC M627を持っている所がFBIの古兵らしい昔ながらの彼のキャラクターを雄弁に物語る。手術直後で無理は禁物なのに平気で銃撃戦を展開したりヒロインとベッドシーンがあったりするのはThe男の中の男イーストウッドなので全く問題ない。それよりも既に引退して刑事でも何でもないOBが関係者への昔の恩を蒸し返して捜査に介入する老害ぶりが居た堪れないのだが、話自体は意外な点と点が繋がる手堅いサスペンス。