Zorba

リバー・オブ・グラスのZorbaのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
3.8
何だこの閉塞感は... 本来は自由の象徴であるはずの青空や海、プール、車はもちろんのこと、服、モーテル、ベッドのシーツまで至る所が青で囲まれ、それが牢獄にしかなってないのがやばい。

そんな状況から何とか抜け出そうと青色の服を着替えても(アメリカ大陸のプリントの皮肉よ…)、レコードのジャケに映る往年のハリウッド女優みたくブロンドのウィッグを被ろうと何も変わらない。そして物語の契機となる銃さえも何回か発砲されるものの、恐らくは最後まで何の命も奪わずただマクガフィンとしてしか機能してないのが恐ろしい。しかも結局は元の塀の内側という振り出しの場所に戻るというね。超えたのに超えられない恐怖😱

ラストも一見すると念願のハイウェイに乗って自由かと思いきや、渋滞で四方を車で囲まれ、さらに前方車が一時停止のウィンカーを出したまま前を塞ぐかのようにノロノロ動く青色の車という何とも不気味なエンディング😰

良いシーンも結構あって、特にサムネの法の境界線を塀に見立てて、揺れ動く主人公の心情を描いてるとこのバランス感覚とか最高だった。キッズ・リターンの二人乗り自転車を思い出すエモさ。(しかも結局そこでウダウダして塀を越えてないというね。) あとドラマーの神様バディ・リッチ激似の親父さんがドラム猛烈に叩くシーンも爆笑。叩き方もそっくり。絶対顔だけで役者選らんだろこれ笑 そんな親父が娘を待ってるシーンでの何とも言えない哀愁もよかった。そこで椅子が逆さになって机に置かれてるのも流石。グリフィスやんってなって塾長思い出した。あの人、元気にしてるんやろか。
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