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リバー・オブ・グラスのicのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
3.5
ゴールの見えないような全然いい話じゃないんだけど、それでも良かった。
家族も子どももいるのに孤独で愛に飢えてる主人公。やっと生きがいのような自分の居場所、誰かにきにされる状況になったのに、それはまるでなんでもなかったわけだ。
皮肉なことに、ちょっと悪いことをしたときの方がドキドキしたり、スポットライトが当たったりする。何者でもない自分が急に何者かになる。なんてことない人生に事件が訪れる。

冴えない登場人物、ダサめのファッション(今見るからいい)、カッコいい車、、、カットの編集の仕方でさえ良かった。全部が全部、日々の一コマを切り取ったような、そして特別でないことが伝わってくる。それがいい。

(追記)
なんというかこのアンニュイ感がとても刺さる。太宰治を読んだ時みたいなはまりかた。
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