とりん

リバー・オブ・グラスのとりんのネタバレレビュー・内容・結末

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2024年1本目

インディペンデント映画の至宝ケリー・ライカート監督が1994年に発表したデビュー作品。
30歳の主婦コージーが現実に絶望している時、酒場で出逢った男リー。2人は拾った銃を暴発させてしまい、車で逃避行をするお話。
観ている時はそこまでハマらないなと思ったけど、後からジワジワくる。この感じがライカート監督ぽいなと。
それに画面回しとかの上手さはこの頃から顕在である。
コージーの現実に絶望していて、生きる意味を探しているような様が映し出されるのが印象的で、特に後半本当は銃で人を殺してなかったと知った時、そうでなければ自分は何者なんだろうと気づかされ、リーを銃で撃つと言う結末。なかなかに衝撃があり、そうくるかといった感じ。それが故に彼女が現実に対して抱いでた感情が読み取れるし、最後車で立ち去っていく姿はある種、これから何者かになって生きていけるという姿にもとれた。
バックで流れる音楽がジャズベースなのが多く、これがまた心地良くて、さながら音楽映画かとも思わせられる。
観終わって数日経ってからの方がジワジワこの映画にハマっている気がする。思い返せばいろんな良い点浮かんでくる。これをデビュー作から描いてるんだよな、ライカート監督よ。
名作と語られる「オールド・ジョイ」よりはストレートな気がして個人的には伝わりやすかったかも。
とりん

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