かのん

あの人に逢えるまでのかのんのレビュー・感想・評価

あの人に逢えるまで(2014年製作の映画)
3.3
ヨニ(ムンチェウォン)は毎日「あの人」の帰りを待ち続けている。くる日もくる日もサラ(ユホジョン)というアメリカ在住の女性と電話し、その日の出来事をメモに綴る。ある日、役所の人がヨニの元を訪れ、「明日、あの人に逢いに平壌に行きましょう」と告げる。あの人の好物を詰めたお弁当を手にバスに乗り込むヨニ。彼女はあの人に逢うことができるのだろうか。

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28分の短編映画ながら、南北分断で離れ離れになってしまった夫の帰りを待ち続ける女性の姿を描いた作品。

「今回は土曜日には戻れるよ」という言葉を残し、帰ってくることがない「あの人」。ヨニはその言葉を信じて待つしかない。

ある日現れた役所の人に「あの人は生きています。明日会いに行きましょう」と言われて、自分の手料理しか食べないあの人のためにバスに乗るヨニ。結末もあまりにも切ない。当時の時代と韓国という国だからこそ起きた辛く悲しい物語。でも、物語じゃなくて現実だった人も沢山いたんだろうな。短編というのもあり、予告編を観ずに本作を観るのがおすすめ。
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