飛行機にて。
もうね、空前絶後の面白さ。最高。
チンピラの息子として生まれ育った不良の青年が、検察を目指してのしあがっていき、次第に大きな渦に飲み込まれていく様をダイナミックに描く。
権力にまみれ、腐敗しきった検察組織。そのギラギラとした醜悪な世界をゴッテリと描いているのだが、ほどよく"抜け感"が施されているのが韓国映画の優れたところ。
まず、主演のチョ・インソンと、その強大な上司となるチョン・ウソンの長身ハンサムなビジュアルは意識的に強調されているし(チョ・インソンの高校生姿はさすがに無理があったが)、ペ・ソンウのコミカルな芝居や、ヤクザの若頭を演じるリュ・ジュンヨルの(←とにかく素晴らしい)ヒリヒリするような研ぎ澄まされた存在感など、それぞれのキャラクターが立ちまくっている。
また、終始ユーモアを織り交ぜながら展開。チョン・ウソンに歌わせたり踊らせたりするし、非常に複雑で重いストーリーのはずなのに、ニヤリとしてしまうシーンが頻繁に登場する。でも、決してやりすぎていない。
そして、特筆すべきはテンポの良さ。
冒頭からかなりのハイペースで場面と台詞が進行していくので、主人公と同じように"巻き込まれていく"感覚に陥る。
ストーリー進行に関わる部分ほど軽快に。パーティシーンなどの装飾部分ほどたっぷりと。そんな感じ。
とにかく、めちゃくちゃ面白い映画。韓国映画が持つ独特の余裕は何なのだろう?
ダイナミズムと爽快感。そしてユーモア日本公開の際には、劇場でもう1回観たい。