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ゴールデン・リバーのmitzのレビュー・感想・評価

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)
4.1
1850年代ゴールドラッシュに湧くアメリカ。金の採掘で一攫千金を夢見る4人の男の物語です。
前半は主に解説編になり、主要4人の登場人物のキャラクターから相関性が描かれていますが、時代背景込みで複雑なことが多く理解できないことが多いまま置いていかれます。この時点でかなり食傷気味でしたが、4人が対峙して始まる後半のゴールドラッシュ編から物語は大きく転換します。
ホアキン・フェニックスを筆頭に、魅力的な登場人物のそれぞれの思惑の駆け引きから、関係性の変化を丁寧に描写し、物語は思いがけない方向へと走り出します。そして期待を裏切られながらも何ひとつ矛盾を残さず(正攻法の正面突破ではあるものの)見事に完結します。後半だけなら★5の見応えです。

「人間の業の肯定」を表現した落語のような素晴らしい西部劇です。
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