ベルサイユ製麺

セブンティーン、北杜 夏のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

セブンティーン、北杜 夏(2017年製作の映画)
2.8
もうアイス自販機のネタは使ってしまっているな…。むむ。

山梨県北杜市。八ヶ岳(多分)を臨む、豊かな緑あふれる風景。湧き水。小川。
…一発でそれと分かる地方創生映画です!

通勤通学の活気溢れる朝の情景。お豆腐やさんから飛び出して行く女子高生あやみ。そのまま坂道を自転車で滑り降りていきます。
《あやみ役の女子は新人だそうで、長い手足で、“地下と地上の境界線ぐらいのアイドルグループの3番目に人気のコ”みたいな顔立ちをしています。》…なんとも言えねぇ。
ある日、お豆腐配達に行った先の地元の有力な酒造店の当主の爺ちゃんに封筒を渡され、爺ちゃんはそれっきり亡くなってしまいます。封筒の中身は遺言書。なんと、酒造の所有する水源をあやみに譲ると記されている!
水源の独占しようと目論む酒造店の後継社長に付け狙われるあやみ!彼女の決断は⁈

水道民営化の話題などもあり、意外にタイムリーなテーマになってしまってる印象ですが、水源云々はマクガフィン的で、そんなに深い掘り下げは有りませんよ。
美しい北杜市の風景の中、女子高生が大活躍!という画がきちんと撮れていれば、一先ず目的は達成…なのでしょうが、肝心の部分も好みによってしまうかなぁ。
後継社長の分かりやすい悪党ぶりや、何のロジックも無しに人物がバッタリ出会ったり、目的地に辿り着けたりの緩いムードは、バカバカしいを一気に突破して、最早ほのぼのとすらしてまいります…。
女子高生達や若い女性が、まるでオッサンみたいな慣用表現を多用するのはもちろん山梨ノリ…な訳ではなくて脚本家さんの資質によると思われます。恋愛要素の盛り込み方の納得出来難さも同様かと…。
主人公の感情表現が基本的に半笑いベースなのは、自分の知らない女子高生のリアリティ・ナウなのか?結構ムカついて良かったです。彼女がほのかな恋心を抱く相手の男性がいまして、コレがその辺の髭面の木偶のバーなのです。これは夢がありますね!誰にだって希望は有るんだ!

…しばらく観ていて気がついたのは、この物語のリアリティ・ライン、テンションの有り様は平成仮面ライダーのドラマパートのソレに近いのではないか?と。あんまり得意では無いのでちゃんと観てないのですが、撮るべきものをキッチリ抑えておけば、後は好きな人がそれなりに汲み取ってくれる的な空気感が、ちょっと近そうな気がします。ライダーファンの方、すいません。キックして下さい。
で、この映画が“撮るべき物”をちゃんと撮れているかと言えば、…否かなぁ。自分は北杜に住みたいとも、行きたいとも思えなかったです。ほうとうは好き。でも、「行ってみたい!」と強く思うのは観光地であって、「住んでみたい」はまた別のベクトルなのかもしれません。まあ、自分はTSUTAYAが近所にないと住めませんけど。
主人公が弓道をやっていて、最後ソレを活かした展開があるのですが、弓道ガチ勢は激怒かもしれませんね…。
あ、劇中のお豆腐は美味しそうだった!よし、スーパー行ってくるかな。あれはどこで食べても旨いからなあー♪
今後も地方創生映画は見つけ次第ボンヤリ取り調べていく方針です☺︎