カズザク17

英国総督 最後の家のカズザク17のレビュー・感想・評価

英国総督 最後の家(2017年製作の映画)
4.2
新しく誕生する国と、その国の人達の未来を真剣に考える最後の英国総督。彼を中心に、新しい国家の誕生と自由の獲得向けて前進あるのみ!的な物語を想像していたのだが…心が切なく、ギューっと締め付けられる物語だった。
支配する時も大国の勝手な都合、撤退する時も大国の勝手な都合…そこに暮らしている人達の都合は完全無視…大国の都合で予め決められていた国境に、特に憤りを覚える。
島国育ちの日本人では、国境・宗教・人種等の問題を感覚的に理解しづらい。陸続きであれば、当然の事なんだけど、それらが入り組んでいたり、入り乱れていたりする。だから、(自分も含めて)平和ボケしている人、外交・交渉が苦手な人が日本人には多いのだろうか?
勝手に支配して、勝手に国境の線引きをして撤退していった大国…今では「過去の栄光」を纏った「かつての大国」になりつつある。一方で、経済発展が著しいインド…総督の言葉の「未来はわからない」が重たく心に残る。
色々と考えさせられる、勉強になる映画だった。