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新日本暴行暗黒史 復讐鬼のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

新日本暴行暗黒史 復讐鬼(1968年製作の映画)
3.6
ハードなテーマを扱っているという共通点はあるものの、やはり『続日本暴行暗黒史 暴虐魔』と比べると、今作の方が圧倒的に映画的魅力に溢れていると思います。

かの有名な津山事件(津山30人殺し)をモチーフにしているわけですが、日本人の陰湿極まりない村社会の空恐ろしさと、村八分にあって家族や自分自身を蹂躙された青年の怒りが暴発するくだりが、映像表現として(誤解を恐れずに言えば)カッコよく描かれていて、これは(さらに誤解を恐れずに言えば)アガります😵

青年役を演じる吉沢健のダークヒーローぶりがとにかくカッコよくて、あれだけひどい仕打ちにあった上での復讐劇だということもあって、見る側にも相当なカタルシスがあります。画面の映り方によっては、若き日の松田優作を彷彿とさせるほどの魅力があります。

実際の津山事件と今作がそんなにかけ離れていないことを考えれば、閉鎖的で陰湿な村社会の負のエネルギーこそが、史上最悪の大量殺人事件を生み出したともいえるわけで、今の日本人にも存在する排他性や同調圧力の根深さについて重く考えさせられる作品でした🤔
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