Charlie

リロ&スティッチのCharlieのレビュー・感想・評価

リロ&スティッチ(2002年製作の映画)
3.4
最初はスティッチが気持ち悪いし(脚が6本だったのか…)、どうも可愛くないなと思って見ていましたが、スティッチが家族を求めて孤独を感じ始めたあたりから、仕草などに可愛らしさが出てきて愛着が湧きました。
何の前情報も入れずに、女の子のキャラと青い生き物のどちらがリロでどちらがスティッチかも知らずに見たのですが、「孤独だから乱暴になる」「児童保護」など、社会の中の一定の家族が抱える問題に焦点を当てているところに、他のディズニー作品にないオリジナリティを感じました。
しかし「やっぱりアニメだね」と感じるのは、ナニが孤独ではないところ。きちんとナニに想いを寄せる男性が設定されていて、彼女を支えてくれる。現実の世界ではそんな男は存在せず、こういう場合はお姉さんも支えてくれる存在がいなくて、誰に助けを求めることもできずに見放されているケースが多いでしょう。
ディズニーアニメはなかなかよい視点を持っていて、孤独な少年少女に希望を与える作品を作っているし、ポジティブな世界を見せようとしていますが、現実に過酷な環境に身を置く大人が見たらどう思うのかは別の問題だよな…と感じます。
この作品も、まず地球上でも暖かくてほんわかした雰囲気があるハワイを舞台に設定し、宇宙人たちが楽しくおかしく演出されていて、軽いタッチで見られるように作られていますが、扱うテーマはなかなかに重たい。子供が観られる作品作りがテーマでしょうから、そのあたりのバランスを、厳しい現実を知る大人たちがどう感じるのか、ちょっと考えてしまいました。
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