pika

女は二度決断するのpikaのレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.0
ダイアン・クルーガーの演技が圧巻。泣き崩れるところマジ悲痛。子供のベッドで布団にくるまれるシーンは胸が張り裂けそうだった。内容のわりに音楽鳴らして悲劇を大々的に煽らせず淡々と進んでいて好印象。風呂のシーン凄い。
後半のスリリングな演出に息を飲む。ドキドキしっぱなし。どうなるのだろうか、巨悪を相手に戦うみたいな映画的な方向へと進むのだろうかとハラハラしていたらめちゃんこ社会派な終わり方をして驚いた。
マキシムに広がるのかと思ったらミニマムで終わる。主人公に寄り添わないドライな演出が効いている面もあればそのため掴みづらい部分もある。
両母親の反応(主人公にとって聞きたくなかった台詞)がベタなタイミングでベタに出てきたところでせっかく入り込んでいた映画が虚構だと気付かされたみたいになったり。クルーガーの演技がいいから戻れるんだけど気に留めなければ気にならないような気になるところがちょっとあった。
手持ちカメラが苦手かもしれん。いかにもな感じで揺れていると撮影しているんだなと気付かされてしまう。単純に見にくい場合もある。臨場感なんかよりも虚構感が増してしまう。
手持ちワンカットやドリーズームなど場面に応じて使い分けている演出や、ドキュメント風味な生々しさとフィクション然とした映画的に抜群な効果が妙なバランスを生んでいる。その良し悪しがダイレクトに好みに反映されるような。
pika

pika