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ヴェノムのbackpackerのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
3.0
マーヴェルが破産寸前で自社タイトルを切り売りしまくった結果、看板タイトル〈スパイダーマン〉(以下「スパイディ」)はソニー・ピクチャーズが映画化権を持つこととなり、以降、数多くのスパイディ映画が制作されました。
そんなスパイディ作品に登場する凶悪なヴィランの1人が、まさかの主人公に抜擢され、スーパーヒーロー映画に!
それが本作『ヴェノム』。サム・ライミ版の第3作でも登場していたので、ご存知の方も多いことでしょう。

今回の映画化にあたっては、クリストファー・ノーラン監督作品常連であり、2015年公開『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にて主人公マックス役を演じ知名度を大きく押し上げたイギリス出身俳優トム・ハーディを主人公に配役。
「本来はスパイディの敵であるヴェノムを主人公にする」ということで、スパイディは出るのか?アンチヒーロー物になるのか?悪属性主人公と敵対する敵キャラってどんなやつになるんだ?等、公開当時からどんな映画になるのか話題を集めておりましたね。

初鑑賞時は、正直呆然としました。あまりに想像と違って。
なんと、ヴェノムが、本当にただの良いやつだったからです!
ポスターにデカデカと書かれた「最も残虐な、悪が誕生する。」という惹句や、当時のトレーラー映像にも引っ張られていましたが、映画史に残るくらいの凶悪な化け物として、老若男女貴賎なく頭から丸齧りするような、アメコミ映画とは思えないスプラッタシーンが見れるとばかり思っていたので、本当に驚いてしまいました。
いつまでたってもヴェノムと同一化しないし、全然残虐じゃないし、そもそもグロシーンなんて直接的に見せないし……と、結構マイナスな評価でいました。


今回、改めて見てみると、コレはコレで良かったなと、魅力を再評価することができました。
ボンクラダメ男とペットの大型犬の組み合わせみたいなもんで、なんとも可愛らしいじゃないですか。
期待と先入観のせいで18年当時は頭ごなし気味に否定してしまっていましたが、そんなに悪くない、むしろ良いじゃない!

とはいえ、やはり中盤に至るまでがわりかし冗長で、早く展開してくれ〜とじれったく見ているのは変わらなかったので、もう少しコンパクトな作品にして欲しかったですね……と思ったら!
なんと続編『ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は、98分だというじゃないですか!
これは嬉しいお知らせ!そうそう、それぐらいコンパクトに収めておくれ!具体的には、午後のロードショーでカットしないで済む90分にしてくれ!ポンポさんからのお願いだぞ!!
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