Parry

BPM ビート・パー・ミニットのParryのレビュー・感想・評価

5.0
馴染みのない言語で議論シーンも少なくない社会運動映画って退屈になりがちだけどこの映画はすべての役者の演技、生命力と薄汚いところにもある一瞬の美を捉えた映像、構成と編集が巧みで最後まで夢中になって観た。
エイズにかかった人々への不当な扱いを改善するよう社会に要求するには受け入れやすい属性(輸血感染したマジョリティ人種の子どもなど)でしおらしい患者を全面に出すことが今も少なくないが、ACT UPはゲイ、外国人、障害者、売春婦も同じく待遇が改善されるべき人々で置き去りにしないと会議の〆で繰り返さし、その原則を守り目標を達成しようとする彼らの志に心打たれた。
手話を使用して会議に参加する人がいたのも今までの社会運動映画であまりなかった表象だけどわたし達の日常には普通にある光景がスクリーンに映ったのにも感動した。
出番も少ないのに頭が良く意志が強い活動家役のアデル・エネルに魅了された。身ぶりと話し方でその人の信じることが伝わるのに人物造形が全くクリシェじゃない存在感。天才だ…
Parry

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