カタルシスなし、スタイリッシュさもなし。
荒事に慣れた男が少女を救う話はよくあるパターンですが、主人公を演じる髭もじゃホアキン・フェニックスの風体と主たる武器がハンマーってのが変わってます。主人公のジョーは退役軍人で元FBIエージェント。銃火器の扱いは慣れたもんでしょうが、銃弾などから足がつきやすいことを熟知しているんでしょうね。刃物は自分の手を切りやすく、結果現場に証拠残しやすいですし。
本作は名作「タクシー・ドライバー」を連想せずにはいられません。犯罪被害者たる少女を救う、という点は共通していますが、本作のジョーは捜査官時代の苦い過去への贖罪から、少女誘拐専門の人探しという専門職です。「タクシー・ドライバー」のトラヴィスは自称元海兵隊員ですが精神を病んで妄想に取り憑かれ筋トレと射撃訓練に励み、自己破滅的に殺戮に走るわけです。ちと異なりますね。
血で汚れるであろうに現場へ白いシャツ姿で赴くジョーの姿に違和感を覚えつつも、妙に印象に残っています。
（2020年8月 PrimeVideoで鑑賞）
