カカヲ

ラブレスのカカヲのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
3.9
何事も無かったように。


虚しい…
なんとも虚しく冷たい作品

なのだが、
この冷え切った感情と空気が
不思議と後を引く

耳に入る情報は
決して楽しいものではなく
そんな日々のなかで
幸せのかけらも光も感じない

男と女
その欲望を満たすだけ
他者への思いやりも
家族としての絆もない

そして
当然ながら
誰も幸せそうに見えない


自己愛の強さゆえ愛に飢え
大切なものを見失い
その存在すら忘れ去る
無言の叫びにも
気付こうとしないし気付けない


前に進む事なく
その場を走る彼女が着ていたジャージの文字に
なるほど…
ってなった。


後味の悪い作品だが
ここから様々なことに気付かされるし
興味深いシーンもある
一度では難しいかもしれないが
繰り返し観ることで
今作で表現したかったものが見えてくる


無関心の残酷さ
保身、被害者意識
1ミリの温もりも感じないすごい映画です
カカヲ

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