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ラッキーのtanpeのレビュー・感想・評価

ラッキー(2017年製作の映画)
3.8
これは観た時の精神状態によって感じ方が分かれる作品だと思う。
長引くコロナ禍で1人でいる時間が続き、それにやられ気味だった自分には、なかなか刺さる作品だった。

前半はラッキーの日々の生活が淡々と描かれてて、正直退屈に感じた。
ラッキー自身も、年老いた身でありながらの一人暮らしという状況に、何の心配もせず日々を謳歌していた。

それがある日突然倒れてしまったことで、急に死への恐怖に苛まれることになる。

この辺りがなんか今の自分にドンピシャの状況で引き込まれた。
自由を謳歌していたはずなのに、急に孤独を感じてしまい、落ち込んでしまう状況。
もうこうなると、どうしていいか分からない⤵️

それが変わるきっかけになったのが、コーヒーショップで偶然居合わせた退役軍人との戦時中の思い出話。

そこから調子を取り戻していくラッキーの姿には共感しまくりで、グッとくるものがある。
パーティーでの歌、バーでの話、そして最後のシーンの微笑み。
思わずこっちまで微笑んでしまったし、泣けてきた。
そんで、明日からちゃんとできるような気持ちにさせてくれるから不思議。

メキシコとの国境付近であろうことを思わせる乾いた風景も、好きだな。
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