2024_014
愛と欲望と権力の三角関係
ヨルゴス・ランティモス監督『哀れなるものたち』予習第2弾。これもすごく好きな作品になりました。独特なカメラワークは本作でも決まりに決まっているし、美術も素晴らしい!そこにオリビア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズという3人の俳優陣の劇中物語さながらの演技合戦が最高!
以下、ネタバレ含みます。
それにしてもこの三角関係が見事すぎる。絶対的権力者であるアン女王を頂点とするピラミッドでありながら、友人であり愛人でもあるサラは女王をコントロール。そしてその2人の秘密を知り上手く隙間に入り込み人生の一発逆転を狙う狡猾なアビゲイル。それそれの目的が異なることで絶妙な三角関係が形成されている。
女王だろうが一般人であろうが、結局人間って脆く自己中心的で欲望や野望を糧に生きてしまうんだよなぁ。アンを精神的に支配し影で国を動かしていたサラが実は一番正直だし他人の為に生きていた様に思う。なのにアンはサラを愛するあまり選択を誤ってしまう。人間くさすぎる話だ。
選択肢という意味では結果的に『聖なる鹿殺し』と同じようなテーマ性を感じた作品でした。見た目の豪華絢爛さを含めてオススメしたい一本です!