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女王陛下のお気に入りのKUBOのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.0
【追記】オリヴィア・コールマン、アカデミー主演女優賞受賞、おめでとう!


1月18本目の試写会は「女王陛下のお気に入り」。

これ、おもしろかったな〜。名付けて「女のノンストップ・宮廷バトル」! 英国の宮廷ものでこんなに楽しめたのは初めて!

元々貴族階級だったのに、家が没落し召使に身を落としているアビゲイル(エマ・ストーン)の成り上がり物語。

飾らない性格で機転がきくアビゲイルはどんどん女王に気に入られていく。前半のサクセスストーリーは「赤毛のアン」みたいだなと思って見ていると…

途中から、女王の寵愛の綱引きというか、嫉妬渦巻く宮廷内での女のバトルへと突き進む! それもお互いガンガン行くんで、少女マンガというか、大映ドラマというか、眠くなる間もないジェットコースターバトル! これ、おもしろいよ!

ゴールデングローブで主演女優賞とってるからアン女王役のオリヴィア・コールマンが主役なんだろうけど、このアン女王像がおもしろい。醜女で、わがままで、子供のような、それでいてとっても孤独な女王さまを、確かにオリヴィア・コールマン、怪演と言っていいんじゃないかな? 忘れられない演技だった。

エマ・ストーンも、欲望に忠実で、素直でチャーミングだけど、目的のためには手段は選ばない、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラみたいな型破りなアビゲイルにぴったり! はまり役だ。

広角レンズを多用した映像、弦楽器を使った印象的なBGMも、作品世界のオリジナリティを際立たせる。

最後まで、このバトルの行方はどうなっちゃうんだ?って、かなりドキドキしたままエンドロールまで一気に突き進む。

何の前情報も入れずに鑑賞したんだけど、これ「聖なる鹿殺し」のヨルゴス・ランティモス監督だったんですね。その割には今回は誰でも楽しめる映画になってる。彼のコアなファンには毒が抜けたって言われるかもしれないけど、「鹿殺し」がダメだった私には「なんだ、普通におもしろい映画撮れるんじゃん」って感じです。

アカデミー賞9部門10ノミネート! すごいね。でも全然小難しい映画じゃなくて、本当に楽しめる作品。オススメです!
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