奇才ヨルゴスランティモス監督による１８世紀初頭イギリスを舞台にした宮廷モノ。
エマストーン演じる侍女とレイチェルワイズ演じる女王の側近、女同士の醜い争いが繰り広げられる。
正直この辺りの時代背景はあまり詳しくないし、そもそも歴史モノがあまり得意ではなかったのですが、テンポよく進んでいくストーリーに分かりやすい人間関係、俳優陣の渾身の演技のおかげで退屈せずに見れました。
今までの監督の作品「籠の中の乙女」「ロブスター」「聖なる鹿殺し」なんかと比べるとだいぶ見やすい作品になっています。
だけど初っ端から自慰シーンはあるし、絵面的にもキツいレズシーン、太った全裸の男に果物を投げつける謎シーン(これがやけに長い)など、画のインパクトやシュールなギャグを挟んでくるあたりはランティモス監督らしい感じ。
また「鹿殺し」の時も思いましたが撮影がキューブリックっぽいのも印象的でした。
上流階級にのし上がることしか頭になく、計画がうまくいかないとFワード連発したり、白眉なのが初夜の手淫シーン(隣に座っていた老夫婦は爆笑していました)。エマストーンはこういう意地汚い役が似合いますね。
エンディングは誰も幸せにならない感じで皮肉が効いていて良かったです。
一見するときらびやかな舞台の裏側で人間達の醜い思惑が渦巻く、ブラックユーモア満載で非常に楽しめました。
