佐藤克巳

明日は明日の風が吹くの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

明日は明日の風が吹く(1958年製作の映画)
4.5
娯楽映画の名人井上梅次監督が、格調高く男の世界をハリウッド映画風に、秩序正しく任侠道の終末と明日への希望を託すラストに爽快感を抱かせる人情ドラマの傑作とした。金子信雄、石原裕次郎、青山恭二は、三兄弟似た設定の深作欣二「狼と豚と人間」の骨肉の争いとは違い、葛藤を重ねるが最後には強く結束する過程を見事に演じた。また、それぞれ浜村美智子、北原三枝、浅丘ルリ子との恋人関係も美しい。二本柳寛、大坂志郎の名演も光る。裕次郎、浜村の歌唱力も流石。木目細かくセットが行き届いて、古典と呼ぶに相応しい。
佐藤克巳

佐藤克巳