宇居香

ザ・スクエア 思いやりの聖域の宇居香のレビュー・感想・評価

3.0
ゴリラのパフォーマーのシーンが不快で恐ろしくて印象に残った。その場にいたら私は他の大多数の人と同じように恐怖で固まるか見ないフリをすることしかできないだろう

エピソードの一つ一つには割と共感できた。
この映画を好んで見るタイプの(教養を携えてエンパシーを重視している風を装っていながら実際は他の人と同じように利己的な)小市民がやらかしそうな間違いを並べている。エピソード集的な側面が強い。皮肉的な結末が多い。
カンヌで高く評価されてることに納得いくほどの深いメッセージの読み取りは私にはできなかった。思いやりの聖域って何だろう? われわれ人間が生きている生活空間全体のことだろうか?

(と鑑賞直後は思ったけど、そもそも深いメッセージを伝えるという意図で作られていなくて、このビジュアルとタイトルを見て期待して映画館に足を運ぶような人たちに「自分たちが見えてない醜い部分」を見せて冷や水を浴びせる…という目的が第一なんだとしたら納得いくし、とても成功していると思う)

現代アートの展示物として置かれていた土砂を清掃員がゴミと勘違いして持っていってしまうところは痛快。伝わらなければどうしようもない
宇居香

宇居香