Kellie

ザ・スクエア 思いやりの聖域のKellieのレビュー・感想・評価

3.7
カンヌ、パルム・ドール受賞作品。今年1、難解な作品(起きたらエンディングだったハネケ監督の『ハッピー・エンド』を除く)。
主人公は見知らぬ人からの「助けて」という言葉に度々出くわす。それらに反応して、大事なものを奪われたり、思った以上の見返りを受けたりする。
知らない人に付いてっちゃだめだし、やばそうなものには関わらないのが最善だと思う。無関心を装うことは結果的に後悔が少ない、と無意識に気づいている。でも無関心過ぎていないだろうか?と思わされる瞬間がある。ホームレスの乞う1クローネがあまりに日常過ぎて。

電子マネー先進国と言われるスウェーデン。2015年の現金決済は全体のたった3%。路上生活者のためにわざわざ小銭を持ち歩く人はいるだろうか。ゆりかごから墓場まで。高福祉国である一方、富の再分配の課題に美術館という機構が果たせる役目がもしかしたらもっとあるのでは?と思うのは早計だろうか。
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