これ自体がインスタレーションのような映画
ストーリー ★★★★★
物語というよりドキュメンタリーのような。
物乞いをする人達、無視する人々。
受け取っても横柄な態度だったり…
「助けて!助けて!誰か!!」
助けを求めても、目を合わせないよう俯く人々。
緊張感がすごい。
美術館の職員が観光客っぽいおばさん達に声をかける「すみません、この先は美術館ですよ。お城はあっち」何故美術館を求めてないと思ったのか?
スピーチ中に携帯が鳴ったり、人の話を聞かなかったり、展示物を写真に撮ろうとしたり、他人の車に腰掛ける。
一見するとどれも身近にありそうなエピソードだけど、少しずつの違和感。
このシーン必要?って思う所がいくつもあるんだけど、全体を通してみると統一感。
壁に書かれた
You have nothing.
深い…不快。(笑)
キャラクター★★★★★
いつのまにか置かれた
異常な状況の中の
普通の人達の自然な反応と
その代表格のようなクリスティアン。
度々口から出る言い訳。
何を守る為?
金髪美女インタビュアーが再登場。
からの、ドン引き展開(笑)
オシャレ度 ★★★★★
余白も計算された無駄のない画面。
陰を使った強いコントラストが印象的。
パーティでキレキレに踊る白髪のモダンなマダム。オシャレおばあちゃん。
急に物語の進行とは関係ないような大きな音がしたり、叫び声がしたり、吠えたりして観る人の緊張感を煽ってる。
エンタメ度 ★★☆☆☆
こうなったら嫌だな…って不安に思う方に向かって行く。
広告動画も最悪な方向へ。
あと度々誰かしら叫ぶから、びっくりします。
よく赤ちゃんが泣いたり、犬や猿の吠える声がしたり、助けを求める声。
なぜかエロくないアレのシーン。
見下ろす女の眉間のシワ。
ゴムの取り合い、よくわからない押し問答。
謝るまでどこまでも追いかける少年の執念。
大人の意地…
最後の階段を上るシーンは目が回る。
メッセージ性★★★★★
「寛容に」
どこまで寛容になれば?
大事なのは数字じゃないけど、結局場の進行が成り立たないなら、1人の為に周りが寛容になって我慢しても、結果的に誰の為になったのか?わからなかった。
「思いやり」
見返りを求めるものじゃない…
あなたはそれが出来るか?と
問われたようにも感じた。
終始考えさせられる内容。その為の映画