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ザ・スクエア 思いやりの聖域のKotaのレビュー・感想・評価

2.6
“ザ・スクエアは信頼と思いやりの聖域です。この中では誰もが平等の権利と義務を持ちます。”

この前スウェーデンに旅行で行った時、民度の高さと福祉の充実に、この国で育てば卑しい心が生まれないんだろうなと感じたけど、そのイメージがぶっ壊れた。裕福で育ちが良いからこその暗黙の了解。「貧困やマイノリティーを蔑んではいけない。」その表面的な人格やプライドをタイトルまで含めて皮肉った作品。

冒頭のインタビューから、神経障害者の暴言や、パーティでのモンキーマンのシーンなど見てるだけで心がチクチク痛くなる。「スクエア」という作られた空間は、思いやりではなく、安全圏を確保する為の箱。“利己的だ、プライドが高い“と思われないために、なるべく面倒に巻き込まれないようにする現代人の比喩。結局、最後螺旋階段を登る本当のスクエアショットでは、小さなプライドなど何も意味を成さなかった。ラストの娘の目線が辛いね…。そして長いねこの映画…。終始イラついたからこの点数です(監督の狙い通りかな)。
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