高橋早苗

ザ・スクエア 思いやりの聖域の高橋早苗のネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

《あなたの心が、試される》というコピーの通り

自分とは何か
無意識に 何を名乗って生きてるか
持ち合わせる正義は何か

定義してる つまり
自分で自分を作っている
・・・その通りに、なってますね♪って映画


主人公は 美術館のキュレーター
彼は出勤途中、通りすがりの人を助ける
気づくと携帯と財布、カフスボタンがない


…携帯ならGPSで居場所がわかる!
とある集合住宅がヒット

普段なら 立ち入りもしない居住区の、大きなマンション
どの部屋に携帯があるのかまでは 分からない
彼の部下は「脅迫状をばら撒けばいい」と無邪気なアドバイス



…最初は立ち止まった彼も 結局この案にのる
ポスティングよろしく全戸に投函
まもなく 指定した駅のコンビニに小包が届き 携帯も財布も戻ってきた
一件落着。


…とはいかなかった!
ここから、どんどんおかしなことになっていく

失くした(取られた)と言っていたカフスボタンを
自身の中から 見つけたみたいに
あとから後から ボロがでる


携帯の一件で あたふたしてる間に
広告会社は いわゆる炎上商法をレッツらゴー^_^
…次回展示のコンセプトアート「THE SQUARE 思いやりの聖域」の宣伝として
コンセプトと真逆の動画を流し
人目はひいたけれど
炎上どころか 大爆発💣


で、“脅迫状”も人目を引いた
とばっちりを食らったと 猛抗議する人物が現れる
年端もいかぬ子どもの抗議は
大人が思う常識など 軽く飛び越え 容赦ない

取り合わず 無碍に追い返す彼は
思いやりなど とうに忘れた顔


だけど キュレーターの職を辞することになって
やっと 彼自身我にかえる


ラスト 彼の言葉も出ない表情と
同じく言葉のない 娘二人の姿が
印象的



…今までのアメリカンムービーなら
どうやって事をおさめるか
(または破滅していくさま)が 描かれるのでしょうけど
ここはオーストリア
これは考えてもらう種類の映画

まるで逆・引き寄せの法則みたいな話ですが
だから気をつけましょうね道徳映画でもない



私には
「そんなあなたには
 そんな事実がやってくる」
映画に観えたわ(´∀`*)



何かを受け取る時 (思ってもみない目にあう時)
それを 意図しようがしまいが
棚ぼただろうが 晴天の霹靂だろうが

あなたにしか受け取れないものを 受け取るのだ。
私も、あなたも。



美術館の中庭に 石畳を削って作られた四角形は
ヒトが 受け取るものに合わせて
変貌自在に大きさを変える フレームのようだね。


映画のスクリーンが 四角形なら
現実のスクリーンも 四角形なのでした(´∀`*)




☆映画に 慰めてもらおう
イイ気分にしてもらおう
観てる間は 現実を忘れたい
・・・そんな方には全力で!おススメしませんw
(マイお気に入り映画を、今一度観た方が得策)

ジョーシキと非ジョーシキの正解を出したい方
映画のストーリーが正解と信じて疑わない方にも
全力で!おススメしませんww
(↑胸くそ悪くなるだけなんで)


ブラックユーモア好きなら ついていけるでしょうが こちらはオーストリア。
ブラックユーモアと言えど
“まっくろくろすけ”並みアメリカン・ブラックユーモアとは、スパイスの効き具合が違う
↑ヒトによっては 笑えなくってブラックに見えないかもね^_^
高橋早苗

高橋早苗