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七番目の道づれのotomのレビュー・感想・評価

七番目の道づれ(1968年製作の映画)
5.0
混乱の中で一蹴される良識。ってだから混乱なんだけど。大きな力の前では無力な小さな小さな存在。そんな個人の無力感を主人公を含めた様々な登場人物のうちに垣間見る事ができる。反発は死を意味する時代で、ある者は手のひらを返し、ある者はそれらの様に絶望したりする。放棄する奴もいるけど、それでも流れに任せて生きる多数の人々がいる。プロパガンダ級の赤々しさに現在からみると、どーなんだって感じなんだけど、思想的には素晴らしいんだよな。多分、何かしら持っていたい人間には実現不可能っぽい理想だと思うけど。旧体制を象徴するかの如くな時計を抱え歩き、捨て去るご老体、最後の時に見える風景等々の冴えてるシーンが非常に多い。持たざる者は強くもあり、弱くもある。傑作。
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