おとうふ

七番目の道づれのおとうふのレビュー・感想・評価

七番目の道づれ(1968年製作の映画)
4.5
七番目の衛星が現れるとき、道ずれにされ、運命に翻弄される小さな一人の存在

価値観の転換のなかで置時計を抱えて街を彷徨い歩く老人の後ろ姿はムルナウ『最後の人』を彷彿とさせるし、偶然にも主人公の名前アダモフは「最初の人」(=アダム)という意味から作られた名前。そしてアダモフは置時計を捨て去って過去と決別する。

妻からの手紙を捨てられる事を嘆くアダモフに、「それは教養のある奴が悩む問題だ」という犯罪者の言葉が、女優の娘の形見の銀猫の話を引き合いに語られるシーンと、造花を作りながら「革命と戦争が続いても人間は"結婚"と"死"という行為はやめない、どちらにも花が必要でしょ」と語る老婆のシーンがとても印象的で忘れられなーい。
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