みゆたん

七番目の道づれのみゆたんのレビュー・感想・評価

七番目の道づれ(1968年製作の映画)
4.0
アレクセイ・ゲルマンの初監督作品。

ロシア革命から社会主義国家成立期にかけて赤軍白軍の内戦が起きていた時代。
主人公は投獄された帝政ロシア時代の元軍人。彼の目を通して伝えられるロシアの現実。
暗に戦争批判、政治批判をする作品ではない。大きな流れに抗うことの出来ない人間の本質に迫る作品。

同じ映画撮影所に勤める年長者のグレゴーリー・アローノフに誘われ撮影した共同作品であるがゆえ、ゲルマンにとっては自由の効かなかった本作の出来に不満があったとのこと。
しかしながら傑作と言っても過言ではない今作。もし彼一人の手で作られたらどんなものになっていたのだろうか。

多くを語らずとも思いが伝わるゲルマン作品特有の雰囲気は共同作品であっても健在。
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