これも何週間か前に新宿で見たんだけど、今更ながら記録。
最近ではようやく日本でもLGBTなんて言葉が人口に膾炙してきた感じがするけど、LGBとTって根本に抱えている社会的な課題は全然違うよなぁっていつも思ってしまう。
まぁそれはさておき、本作は体は男性、心は女性というMtFのトランスジェンダーの主人公を描いたチリの(実話?)映画。
主人公を演じるダニエラ・ヴェガさんも MtFだということなので、かなり役者の自己投影的な部分も大きい作品なのではないかと推測できます。
身体検査で下半身まで裸にされるところ、あれは辛いだろうなぁ、ホントに。本人もあぁいう経験をごまんとしてきたのだろうなぁ。辛辣な描写すぎて、他のトランスジェンダー映画にはなかなかあんなシーン描かれないもの…
生活に密着したシーンが多くて目を塞ぎたくなるほどリアルなんだよなぁ…
それから、非常に抑制の効いたヴェガさんの演技は、どこか諦めというか悟りに近い表情を持っていて、
「今さら自分一人が何をしても世の中を大きく変えられるわけではない。でも、私は私として力強く生きていく」といったような、極めて個人主義的に生きることに対して覚悟を決めた人なんだなぁと思ってみていた。
それでも、矛盾するようだけども、やはり社会派映画の主人公に相応しい反骨精神みたいなものは失っていないんだよね。
で、最後のあのロッカーの中身ね。
ああこれは言えないか、ネタバレどこの騒ぎじゃなくなってしまうからね。
あとヴェガさん見た目も美人だし、歌がめちゃ上手い!!!ついつい聞き惚れてしまいました(と思ったらやっぱりこの人歌手が本業だったみたいね。あとで知りました〜)
ところで、イグアスの滝って、これ『ブエノス・アイレス』オマージュなの?とか考えてしまったのは僕だけでしょうか…