このレビューはネタバレを含みます
ハロウィンの夜。タラとドーンは、立ち寄ったダイナーで不気味なピエロの男に目をつけられるが、男は店主によって店を追い出される。足早にその場を後にする二人だったが。それはピエロの男テリファーに狙われる恐怖の夜の幕開けであった…。
同名のホラー短編作品を長編化した、ピエロホラー。トラウマになるほど怖いと話題になった殺人鬼テリファーの恐怖と異常性がただただ際立っており、それだけで作られていると言っても決して過言ではない本作。そのため、随所でツッコミどころ満載なのも面白い。
まず、テリファーを明らかに殺せるような状況下でもトドメを刺さない登場人物達。女に至っては「かかってこい！」とこんな状況でも正々堂々と戦うことを忘れない涙ぐましいほどの格闘漫画スタイル（最早敬意すら表したくなる）また、この世界の住人は殺人鬼がうろついてるかもしれない建屋で、背後を気をつけるという考えがないらしい。いや、何度同じパターンでやられるねん笑。
テリファーに関しては、最後まで一言も発せず、正体を謎のままにしている点が良い（身体を刺されたり、頭を銃で撃っても死んでないから人ならざるものなのは明らかだが） 三輪車乗ったり、ラッパ鳴らしたりと、彼にとっては全てが遊びで、おふざけなのだろう。まるで虫をいたずらで殺す少年のような残忍性に加え、一つとして理解できない行動の数々。それこそが謎多き殺人ピエロ、テリファーを多くの人のトラウマたらしめた所以なのだろう。
2をどのように描くか楽しみ。
