TAK44マグナム

テリファーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

テリファー(2016年製作の映画)
3.8
最凶ピエロがギーコギコ♪


ダミアン・レオーネ監督作。
ハロウィン・オムニバスホラー「All Harows Eve」中の一編として使われた短編作品を長編化したもので、不死身の殺人ピエロが目が合った者を片っ端から血祭りにあげてゆくのをひたすらに見せつけられます(汗)
タイトルの「Terrifier」とは、「恐怖心を抱かせる者」という意味。


ハロウィンの夜、タラとドーンの女子二人組は酔っ払ったので、とりあえずピザ屋に入って休憩することにします。
そこへ入ってきたのが、ピエロの格好をしたキモい男。
さきほど、道で見かけた不気味なヤツ。
タラが制止するのも聞かず、ドーンはピエロと一緒に写真を撮ったりします。
おもむろに席を立ったピエロがトイレに行くと、しばらくして店員の怒号が聞こえてきました。
トイレにウンコで落書きしたピエロを追い出す店員。

店を出たタラ達が車をみるとタイヤがパンクしているじゃありませんか。
仕方なく、タラはビクトリアに迎えに来てもらうよう連絡します。
ビクトリアを待つ間、おしっこが我慢できなくなってきたタラは、たまたま目の前の建物から出てきた男にトイレを借ります。
1人になったドーンがラジオを聴いていると、さっき入ったピザ屋で殺人事件が起きたというニュースが飛び込んできます。
不安になったドーンが振り向くと・・・!


殺人ピエロのアート・ザ・クラウンさんのキャラが秀逸。
何がアートなんだかサッパリな真性のサディストであり、気に入った者や邪魔する者を徹底的にぶち殺すのが生き甲斐で、自分は何故か死なない。
もはや人なのかどうかも疑わしい存在なのです。
一言も喋らないけれど、人を小馬鹿にした態度をとらせたら世界一な変態殺人狂!
つまりは、呆れるほど嫌なヤツってことですな!

その殺し方も残忍そのもの。
常軌を逸した凶行に、お腹が痛い時なら肛門を鍛えておかないと思わず脱糞しかねません!
糸鋸やハンマーの間違った使い方を実践しまくるアート・ザ・クラウンさん、貴方!「イコライザー」の見過ぎなんじゃないの!?
(とは言うものの、人体破壊描写そのものはアダム・グリーンの「ハチェット」シリーズなどの方が上をいっていますが・・・)

一番の目玉は何と言っても、エクストリームな人体真っ二つDEATH!!
せっかくのオッパイ登場も全く楽しめません!
いや〜、凄まじくグロい!
その他も、ジャックオーランタンの代わりに生首ランタン!とか、女性から剥いだ頭の皮とかで女装!など、狂っているとしか思えない所業のてんこ盛り!

短編版も短い尺にゴア描写を詰め込み、後味が悪いどこらか胸糞悪くてゲロ吐きそうなオチで心底ゲンナリさせてくれましたが、そんなブラックなテイストをそのまんま長編化しておりますね。
似たようなシチュエーションでの首チョンパとか、やはりオチが救われないところとか似通っています。
正しいアップデートが行われておりますが、ほぼほぼやり過ぎ!
って言うか、殺り過ぎ!

ストーリーらしいストーリーは無いので、日本語字幕なしでも大筋は理解できました。
ピエロが怖い映画も飽和状態ですけれど、これは強烈だと思います。
少なくともペニーワイズなんて及びもつかないでしょう。
だって、アート・ザ・クラウンさんならガキンチョに遅れをとることなんてあり得ませんから!
驚かすよりも、いきなりブッ殺しますからね!

欲も言えば、もう少しゴア描写をねっとりじっくり見せてくれても良かったかな?
それだけが見どころな映画だし。
あと、短編版でも使っていましたが、○⚪︎○も悪かないけれどトドメを刺すのはチェーンソーとか、そういう定番凶器の方がスラッシャーぽくて好みなんですけれどね。

そうそう、タラ役の女優さんが「ワイルドシングス」の頃のネーヴ・キャンベルっぽくて目の保養になりました。
ハロウィンコスプレの衣装もセクシーでしたが、もっと露出してくれてもよかったのに(苦笑)
グロはパンパンに詰まってますが、エロは低空飛行で残念でした。

まぁ、何はともあれ、アート・ザ・クラウンさんのキャラクターに尽きます!
あの血まみれのキモさを愛でることが出来るかどうかが、本作を楽しめるかどうかの鍵でしょう。
ダミアン・レオーネ監督にはもっとシリーズを重ねて欲しいし、こういった狂ったホラーはドンドン日本に入ってきて欲しいですな〜〜。


某動画サイト、セル・ブルーレイ(輸入盤・字幕なし)にて