ブルガリア人監督による、ボスニアと国際戦犯法廷に関する実話に基づいたメッセージ性の強い作品。
法の主題でもあるが、それ以上に宗教と血縁が招く悲劇に重きを感じた。
他国の非常に民族的な問題を主観的に扱おうと思った/できたのは、10年に及ぶ取材と、「同じバルカン半島」で文化が近いからだとか。
同監督によるドキュメンタリー映画、「Murder Stories」は実際の殺人容疑で死刑判決を受けた3名を取材したもので、これはブルガリアの死刑制度撤廃を助長したという。
今作はドキュメンタリーではないし、芸術と現実を混ぜるのは大変だと監督も語っていたが、これはこれでコンテンポラリーアート・プラクティスと言えるのではないか。