円柱野郎

映画 中二病でも恋がしたい Take On Meの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

TVアニメ「中二病でも恋がしたい!」の劇場版。
六花と勇太の上級契約(キス)がキメラ(飼い猫)の出産の報により阻まれてから半年後、十花(六花の姉)が自身の住むイタリアへ六花を呼び寄せるという話が持ち上がる。
周囲の後押しもあり、六花と勇太は十花の手から逃れるために駆け落ちという名の逃避行へと出発するが…。

ストーリーはTV版2期の続き。
後日談として六花と勇太の関係性に決着をつける話ではあるが、内容の割にストーリーがまるで尺延ばしの様な遠回りをしているように感じられてどうも歯切れが悪い。
ロードムービーにしたかったとか、その途上で二人が関係性を見つめ直すとか、そういう流れは分からんではないけど、現実と中二病世界のギャップが楽しいコメディだったのに、現実寄りの話を決着させるためのドラマがメインになってしまうとどうもね。
六花の中二病的ボケと周囲のツッコミもなんか上滑っているように感じてしまって。
中二病バトルも京都タワー上での六花vs凸守があるくらいだったし、作り手の描きたいものと観客として観たいものにちょっとギャップを感じてしまった。
俺はもっとお祭り的な中二病バトルが観たかったし、それを冷めた感じで見守る周囲の目のギャップが楽しみたかったんやー。

そういえば途中で「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくるレストランや「たまこまーけっと」のデラの人形が出てたけど、どうせ出すならもうちょっとメタな感じでいじってくれても良かった気がする。
勇太の神様が授ける天の声はちょっと面白いところもあったけど、あれは大塚芳忠の声でやってるから面白いのであって…って、あの1期のナレーションは神様だったんですかい!w

ということで、「中二病でも恋がしたい!」というタイトルを回収するための現実世界での遠回り、という印象だけが強く残ってしまった。
が、その現実にしても高校生が自費で2人で京都から神戸~和歌山~東京~札幌~函館~青森と移動するとは、すげえ資金力だよね。
一応資金の事を気にしている描写はあったけど、「使いすぎなんじゃ…」という別の意味でハラハラしてしまったのは俺がスレてしまったからなのかなあ?

それにしても一色の扱いは雑だったな(苦笑)
一応出してみました、くらいの出番じゃないか。
まあそういう役回りのキャラと言えばそうだけれども。

何にしてもTV版の終了からこの映画まで間を空けすぎたんじゃないかって思う。
4年も経ってから語らなければならない話だったの…?って感じは否めない。
円柱野郎

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