みじんコ

映画 中二病でも恋がしたい Take On Meのみじんコのレビュー・感想・評価

3.0
【誠実な恋愛映画】

京アニ制作のアニメはオタクに対する
『甘やかし』の度合いが強くて
乗れない作品が多かったのですが、

この作品は『オタク同士の恋愛』を描いた作品として誠実な内容で良かったです。

ヒロインである六花はルックスはアニメオタク好きする美少女として描かれていますが、その内面は社会性が無い、自ら成長する事を良しとしない自己愛に満ちた痛い女。
主人公の勇太はそんな六花に惹かれながらも、六花の人間性に問題を感じ、真人間にしなくては…と責任を感じながらも、彼女に厳しく接する事ができない『甘ちゃん彼氏』と双方に問題を抱えたカップルとして描写されています。

この『惚れた相手の問題点を自分 の力で何とか変えようと徒労を重ねるをカップル』という図式は恋愛の障壁として、オタクであれ、パンピーであれ、誰もが共感できるテーマとして機能していると思います。(私も過去に痛い目あった経験が…😭)

そして、この2人の恋愛の結末は…
ウディ・アレンの『アニー・ホール』でも描かれていたように

"俺"みたいな"ろくでなし"と気が合うのは同様に"ろくでもない奴"なんだよ!と、

同じ価値観を持つ男女が、相手の良い部分も悪い部分もひっくるめて受け入れ合うことこそが"恋"だろ?!と、恋愛の本質を真摯に描いた展開に感動&共感できました。

深夜アニメの『恋愛描写』はオタクの妄想に忠実すぎて鼻白んでしまう人にも嘗めずに観て欲しい作品です。

京アニ侮れない…
みじんコ

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