紅蓮亭血飛沫

映画 中二病でも恋がしたい Take On Meの紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

コンテンツ自体がコメディものというのもあり、本作も安定して軽やかな足取りが際立つ作品となっていましたね。
何だかんだでこの作品の登場人物達が巻き起こすドタバタっぷりは嫌いになれない、不思議な魅力があります。
中二病、という大多数の人々が通る道を、のめり込みやすい年齢にいる彼女達が身を持って描き、その要素を昇華させてくれている…というのが強いからでしょうか。
かく言う私も中学生ぐらいには彼女達とまではいきませんが、それなりに恥ずかしい黒歴史があるので、奇妙ながらもついつい登場人物に自分を重ねてしまいます。

TV本編2クールを通してたくさんの障害を越えてきた勇太と六花、本作ではこの先の将来を見据えた試練に立ち向かう事となります。
高校を卒業したら大学進学、その先は…と将来的に二人はどうしたいか、どうありたいかを考える時期に。
六花との関係に慣れたせいか、ちょっとした倦怠期に突入しつつある勇太は本作を通して改めて小鳥遊六花とどうありたいか、を考え込むようになり、その過程が本作の見所です。
ですが、ハッキリ言ってしまうとその過程・結論は、TV本編第一期終盤と大差ない過程・結論に落ち着いてしまっているため、本作ならではの二人の関係性が一層強いものに…という手応えが大してありませんでした。
第一期終盤で六花が中二病を卒業すべきではないかと思い始め、父とのあれこれを断ち切り、現実に順応する真人間になろうとする展開ともろ被ってしまっている。
正直、本作を見ても見なくてもメインである勇太と六花の関係がより一層魅力的なものに…という甲斐がなかったのが残念です。
京アニ作品でありファン人気もあるだろうから作った、という節が否めない。
全編通してドタバタ逃走劇を図る光景はとても微笑ましく鑑賞させていただきましたが、それ以上の何かはなかったな、と。

個人的な事を言うとこの作品では六花の姉である小鳥遊十花さんがとても好みなキャラクターだったので、本作で結婚という終着点に辿り着いた際、とても驚きましたし同時に凄まじいショック・虚無に翻弄される事となりました…。
仕事が恋人、みたいなイメージだったのですがまさか結婚するとは…。
お幸せに…。
………結構ショックですね、これ。